しばらく政治の話題から遠のいていたけど、
以前から気になっていた普天間基地移設問題。
「この手の話はちょっと・・・」てなあなたにも
ぜひ、いっしょに考えて欲しいと思う。
ちょっと長くなりますが、がんばって読んでくださいね。
太平洋戦争(本来は大東亜戦争)が終わって64年。
米軍による日本進駐は、以来ずっと続いている。
とくに沖縄には、在日米軍の7割以上の軍事施設が在住する。
なぜ沖縄か?
冷戦時代のソ連、今は中国、北朝鮮といった
アメリカが仮想敵国とする国々ににらみを利かせるのに
地政学上、もっとも都合のいい場所だったからである。
かつての朝鮮戦争、ベトナム戦争への兵站としても
沖縄の存在は大きかった。
20年前、ベルリンの壁が崩れ東西デタントの時代は終わった。
ソ連の脅威がなくなり、極東アジアの危機は遠のいた。
代わって中国の台頭、北朝鮮の暴走が新たな緊張の種
となったとされるが、ならば沖縄に集中した基地は分散させるか
いっそグアムあたりまで後退させるのが正しい。
▲ 住宅街のど真ん中にある普天間基地
民主党政権は外交音痴だ、 と思う。
じゃあ自民党はマシだったか? と言われればやはり首を振る。
日本の外交戦略がまともだった時代は、近年ない。
いや、過去もなかった。
いまさら「岡田外相は・・」などといっても意味はない。
弱日本外交の宿痾は、いまに始まったことではないのだ。
鳩山政権になって日米関係が危機に陥った、と報道される。
理由として、普天間基地移設問題を持ち上げる。
「安保条約違反にアメリカが激怒している」と、そういうのだ。
「有事の時に米軍は日本を守れなくなる」とまで言う人もいる。
普天間基地移設問題の争点は「移転するかどうか」ではない。
「移転先をどこにするか?」 である。
「移転先はグアム」ということが、
2005年の10月にすでに決定されているのに、だ。
普天間基地にある主な兵力は、
海兵隊1100人と攻撃ヘリ70機からなる1800人、
それから司令部3000人と兵站要素2500人、
あわせておよそ8000人からなる。
加えて米兵の家族が約9000人。
平民がわざわざ本土からこれだけ移住しているということは
少なくても普天間基地は最前線ではないということだ。
「普天間は台湾有事のためにも必要」と
どこかの軍事評論家がいっていたが、
この人は仕事を変えたほうがいい。
グアムでは着々と移転してくる部隊の施設が建設されている。
攻撃ヘリ用格納庫はちょうど70機ぶん。
明らかに普天間からのヘリが想定されている。
グアムへの移転には総額1兆円かかる。
このうち日本側の負担は6000億円以上と決められた。
日ごろから日本人観光客が連日金を落とすグアム。
グアムもハワイも大きな米軍事施設があるが、
なぜかどちらも、日本人観光客がたっぷりいる。
土地が潤えば基地も潤う。 逆もまた然りだけど。
ともかく、こうした詳細を発表していた
米国防省発『グアム統合軍事開発計画』であるが、
発表してから1週間後に、突如削除されてしまった。
その後ふってわいたかのような
「戦後最悪の日米関係」と評するマスコミ報道。
彼らはいつも「最悪」か「最高」しかいわない。
鳩山政権を非難する街の声をテレビに映してみせ、
アーミテージが抗議する姿を何度も登場させる。
米国ではたいした問題になっていないにもかかわらず。
おかしくはないか?
三沢基地のF16戦闘機40機を本土へ戻し、
嘉手納基地にあるF15戦闘機の半分を三沢に移動したい。
今年の4月に米国が日本政府に打診した要望である。
嘉手納基地の半分が空けば、
普天間にあるヘリ部隊はそこへ移せばすむのだ。
実現すれば、問題は解決へと向かっていたはずだ。
だのに、当時の自民党政府はこれを拒否。
なぜ?
できるだけ米軍に駐留してもらい「対米従属」していたほうが
官僚にとって都合がいいからだ。
「思いやり予算」の謎もそこにある。
そもそも「思いやり予算」とはなにか?
毎年毎年、数千億円がこれに消えているのだ。
鳩山さんはこれにメスを入れたがっている。
財政難にあえぐオバマさんはすかさずそれを見抜いた。
それが、11月のオバマ米大統領の来日である。
まるで平和大使さながらであったオバマさん。
ほんとうは何をしに来たのだろうか?
米国の計画通りいけば、普天間基地から米軍はいなくなる。
めでたしめでたし、である。
それを、グアムに移転するのは一部の司令部だけだとごまかし、
普天間基地移設問題をあやふやにした犯人は、はたして誰か?
ほかでもない日本政府官僚と、米海軍である。
ぼくの思うことをはっきり言っておく。
「思いやり予算」とは、米軍への買収のことであり、
米軍従属を錦の旗にして権力維持している官僚たちが
米国に払っている「みかじめ料」のことをいう。
財政難のさなか、思いやりすぎにもほどがある。
つまり米海軍が普天間に海兵隊とその家族を置くのは
「思いやり予算」という金づるを目的としているからだ。
あっさりグアムに移転してしまえば、それがなくなる。
だから移転は遅ければ遅いほど、いいのだ。
移転費6000億 + 思いやり予算 × 駐留期間 = みかじめ料
日本政府官僚の姑息さと、米海軍のヤクザ主義。
それが普天間基地移設問題をややこしくさせている元凶である。
それを「日米関係のアキレス腱」などというなマスコミ。
そんなことより、真に日米経済協力を論じるべきだろう。
普天間がどうあれ、日米関係はうまくやっていける。
長い記事でしたが、最後まで読んでくれてありがとうございます!
←いつも来てくれてありがとうございます。よろしければポチっとお願いします
最近のコメント