仕事あがりに三宿で飲んだ。
ぼくを含めたおじさん3人と、女性ひとり。
杯が浅いうちは、えんえんと仕事の話などしているのだけど、4杯、5杯と重ねていくうちに話はだんだん下に降りてくるものなのだろう。
「女性はどこまでいったらセックスを許すのか?」
いつのまにか、話題がそんなことになっている。
こうなるともう、おじさんの顔をしたただの少年たちである。 身振り手振りがいちいち大げさだ。
「そりゃもう、キスでしょう!」
おじさんのひとりがいう。 それはぼくなのだが。
「いやいや、そんなのアメリカじゃただの挨拶ですよ」
もうすぐ米国に赴任予定のおじさんが、否定する。
「じゃあ、なに?」
ナマコ酢を口に運びながら、別のおじさんが訊く。
「手です」
「手!?」
意外にも、許すサインは手の握り方にあるのだという。
「握り方B」となれば、女性はもうカラダをぜんぶ許したも同然なのだと、米国赴任予定おじさんは自信たっぷりに言う。
「握り方A」と「握り方B」の間には、大きな距離があり、それは知り合ってから「キス」にたどり着くまでよりも、遠いのだと。
なるほど、ていうかそうなのか?
心当たりを記憶に探るも、データ不足で腑に落ちない。
「それいえるかも!」
女性が、意を決したように同意する。
むむむ・・・
おじさんたちは、ただ杯を空けながら、それぞれに思いを巡らすのだ。
「握り方B」ならセックスOK?
心当たりがある方、教えてください
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