「ドイツの産業」と聞いて、まず頭に浮かぶのがクルマ。
ところが意外にも、ドイツは林業の国である。 クルマ産業の従事者は約70万人、対してドイツ林業での雇用は100万人。 まさに木こりさんたちが、地域経済を支える大きな柱になっているのだ。 すごいですね、木こりさん。
ドイツは日本よりも国土が狭い。
森林面積に至っては日本のたった4割、1千万ヘクタールほどである。 だのにそこから生産される木材は7500万立方メートル。 これがなんと日本の4倍もの生産量だ。
つまり、 日本の2分の一以下の広さで4倍の木材が生産されるから、効率は8倍である。 ていうか問題は、ドイツの8分の1の生産性しかない日本にありそうだ。
「そんなに伐採したら、禿げちゃうんじゃ・・・?」 と心配するむきもあるだろう。 たしかにドイツ人はハゲてる人は多い。 若ハゲだらけである。 日本のようなバーコードおやじは、ほとんどみかけないけど。
ポイントは間伐(十分間を置いて伐採すること)。
ドイツの木こりさんたちは、100年を超えた段階で光が十分に入るよう計算して伐採しているのだ。 たしかにドイツの森を歩いていると、木々の下部のほうまで十分枝が育ち、葉が茂っているのがわかる。 地面もそれほどじめじめしていない。 光が十分入っているのだ。
その点、日本の森林は全体的に薄暗く、木の下部のほうには貧弱な枝が、葉もつけず貧弱に伸びているのが目立つ。 あれは木々が密集しすぎて、光がそこまで届かないのが原因だ。
保護しすぎなんじゃないか? とぼくはあらためて思う。または放置されすぎてんじゃないかと。
そもそも森林を健全に保つには、生長量の7〜8割前後を定期的に伐採すべきなのだという。 今の日本の森林面積から計算すれば、その生産量は約5000万立方メートルほど。 ところが現在の生産量はわずか1900万立方メートル。 全然足りてない。
おまけに日本は、年間で木材を約9000万平方メートル海外から輸入している。 効率よく生産すれば、10年後にはすくなくとも3000万ぶんは国内で自給できるようになるのだ。
日本の森林のほとんどは「保育」。 金ばかりがかかる。
原因のひとつは、戦後の復興特需時代に無計画に伐採し過ぎたことにある。 たとえば「国内森林の8割が樹齢50年以下」という事実にぼくは唖然とする。 いっぽうドイツは上手に間伐しながら、樹齢100年ものがごろごろしている。 日本がドイツに見習わなければならないのは、まさに林業だ。
日本がドイツ並みに効率よく生産できれば、現在の8倍。 つまり1億5000万立方メートルもの木材が生産できる。 国内の需要が約1億立方平方メートルだから、なんと自給率150%である。 輸入どころか、輸出して儲けることだってできちゃうのだ。
日本の森林はいま「保育から利用」のフェーズである。
急務なのは、そのための農林水産省のルール改正や、森林組合などの機能不全を是正だ。 あいかわらずマスメディアはこのことをまったく報道しないけど、林業はやり方次第では日本再生の要素を十分備えていると思う。 もちろん失業対策も含めてね。
きこりさん、カムバーック!
なおきんの切なるお願いである。
鯨についてもいえるけど、過度な環境保護はむしろ環境破壊へとつながります。大事なのは生態系、間引く、間伐を上手に活用したいものです
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