ちょっとした野菜ブームである。
書店には関連書籍がずらりと並ぶ。 売れているんだそうだ。
ぼくも野菜ジュースはマイブーム中である。
野菜は健康に良く、肉類は健康に悪い。
そんな声も多い。「粗食は長生きの秘訣」とも言う。
そんな理由からか、日本人が古来から食していた食材が見直されたりもする。 玄米などはその筆頭だろう。
玄米の成分だけを見るとたしかに栄養豊富だ。 がん予防にもなる。
けれども一方で外皮には土壌に含まれるカドニウムや有害重金属が多く含まれてもいて、発しんやアレルギー症状の原因になっているのも事実だ。 胃腸の弱い人は玄米の消化の悪さがたたって、症状がより悪くなるのだともきく。
ところで肉を食べないことは本当に健康にいいんだろうか?
たとえば人間のカラダは60%の水分を除いて、ほとんどがタンパク質でできている。 カラダの基本はタンパク質。 これがないとまず話にならない。
古くから日本人は肉を食べることが少なかった。 江戸時代中期までは肉食を禁止していたりもした。 タンパク源は少量の魚と大量の植物に頼るしかなかったのだ。
以下は、日本人の平均寿命の推移である。
古代から江戸時代中期まで平均寿命はさほど変わらず、江戸時代後期になって突然伸びているのがわかるだろう。
この違いは肉食の解禁ではないかとぼくは思う。 もちろん、戦争や疫病が減ったことや、医療や科学の進化も大きな要因。 それでも日本人の寿命が40代前半だった1920年ごろには、肉食アメリカ人は60歳。 北欧ではすでに70歳を上回っていたというから、日本人のタンパク質不足が寿命を短くしていたと考えるのが自然だ。 少なくとも「昔の日本人の食生活は健康的だった」とは、いいきれない。
ちなみに人間が一日に必要なタンパク質は体重の約千分の一。
さしずめ体重が60kgの人なら60gということになる。
タンパク質の優劣は人間のカラダの組成比率に近いほど良質とされる。 指標ではプロテインスコア(タンパク質良質度)で表され、満点を100とし、高いほどよいといわれる。
上の表をみれば、「プロテインスコア」は動物性タンパク質が植物性を圧倒している。 植物性タンパクは質で動物性に劣っているのだ。 人間のカラダは動物性タンパク質から出来ているんだから、当然といえば当然なんだけど。
表中の「含量」は100g中に含まれるタンパク質の量。 それから「必要量」は、タンパク質10gとるのに必要な食品の量だ。
つまり「牛ステーキ150gには約30gのタンパク質が含まれていて、体重60kgの人が1日に必要なタンパク質の半分が摂取できる」というふうに理解いただくといいです。 ちなみに同じ体重の人が「とうふ」だけで一日分のタンパク質を得るには、なんと6丁も食べなくちゃなんない。 お腹がたぷたぷになりそうですね。
おおむね、肉類のほうが効率よくタンパク質がとれる。
とはいえ、問題は脂質過多である。 とり過ぎはデブになるし、発がん性があるのもコワい。
そこで代謝を良くするためにビタミンやミネラルが必要。 よく「食べた肉の倍は野菜を食べなさい」などといわれるのはこのためである。
ともあれバランスが第一である。 それから種類。
現代の日本は世界でも有数の食材が集まり、イスラムの豚肉、ヒンドゥーの牛肉といった宗教による食事制限がない。 好きなものを好きなだけ食べれるありがたい国なのだ。
加えてたくさんの種類を少しずつ食べる「幕の内」的習性が、日本人の寿命をのばしたのではないかとぼくは思う。
肉も魚も野菜も果物もがつがつ食べて、がんがん運動して、ばりばり仕事して、どしどし恋をしたいものです。
どしどし恋?
最近のコメント