「カッコいいなあ」と思わせる男が少なくなった。
前の記事でも書いたけど、「キレイな男」というのはずいぶん増えた。 でもそれは本来あるべき「カッコ良さ」とはちょっと違う気がする。
ぼくの考える「カッコいい男」とは、「男性ホルモン値が高い男(ひと)」のことだ。
男性ホルモン?
そう、男性ホルモンである。
そもそも男性ホルモンって何だろう。 テストステロンという物質もそのひとつ、調べてみるとそれ以外にも70種類もあるという。 とくにこの血中テストステロン量の大小は、性格や人生観に多いに影響するというから無視できない。
まず、テストステロンが多い人は管理社会と相性が悪い。
あるべき姿や正義感にこだわりをもつ傾向が強く、自分を犠牲にしてもそれらを守ろうとする意志が強い。 「他人と違うことをアピール」するのも、男性ホルモンの高い人にありがちな行動規範のひとつだ。
ゆえに職業選択にも影響がありそうだ。 概して男性ホルモンの高い「ホルモン野郎」は、芸術家やミュージシャン、政治家のように自分を表現することが好きな人に多く、逆に男性ホルモン値の低いひとは、教師や牧師、医師といった自分を表現するというよりはそれぞれの規定や社会規範に忠実である職業に向いている。 まさに管理社会と相性ぴったりではないか。
また、テストステロンは一般的に若い人ほど多く、悲しいことに年を経るに従って減っていく。 若い人ほど冒険心が強く、社会に対して反抗的なのも、これと関係があるように思う。
こんなふうに、血中テストステロン値の高低は個人によってかなり差がある。 20代でも70代並みに少ない人もいれば、その逆もある。 共通なのは、誰しも40代半ばをピークに、あとは徐々に下がっていく運命にあるようだ。
中高年のオジサンが組織に迎合し保身に走ってしまうのは、テストステロンが少なくなるのが原因のひとつかもしれない。 だとすれば、「オトナになる」のはいい意味ばかりでもなさそうだ。
確かにテストステロンの減少は、性欲の減退や肥満、筋力低下、疲労感、うつ、動脈硬化、頻尿、さまざまな影響を与えるといわれている。 生活習慣病から更年期障害、やがては認知症 ・・・どうやら「ボケ老人」の原因は男性ホルモンの減少ともいえそうだ。
こうなってくるともう、たかが男性ホルモンと言ってられない気もする。 では、いったいなにが原因で男性ホルモンが減るのか?
代表的なのは ストレスだろう。
ストレスを感じると体内で交感神経が活発になる。 血圧が上がり脈拍が上がる。 瞳孔は開き、身体が戦闘モードになる。 朝に不機嫌な人が多いのは、血圧が低いからではない。 単に交感神経が活発になっているからだ。
男性ホルモンは本来、副交感神経に支配されている。 これが優位になるのは、食事やセックス、飲酒など楽しいことをしているときだ。 眉間にしわを寄せて仕事ばかりしていると男性ホルモンの減少を促進させ、ひいてはいろんな病気になっちゃうともいえる。
もとより現代はストレス社会といわれる。 とすればホルモン野郎が減る一方ではないか。 副交感神経を促すといわれるヨガやストレッチの流行は、これに抗おうとするトレンドなのかもしれないなあ、と思う。
テストステロンを増やすには、やはり「楽しいこと」を自分に与えることがよさそうだ。 コレステロールが低すぎるのもよくないからたまには良質の肉を食べた方がいいし、恋をしてセックスするのもいい。
昔から「英雄、色を好む」というのはあながち嘘ではない。 ”英雄=ホルモン野郎” は、女性好きであり女好きされるタイプであるのもうなずける。 小さくまとまらないから、人間的な魅力にあふれるのだろう。 そんなひとのことをぼくは「カッコいい人」と呼ぶ。
また、ホルモンはフェロモンと似ている。 前者は自分の体内に分泌され作用するのに対しフェロモンは体外、つまり自分以外の誰かに作用するからだ。 どちらも大いにこしたことはなさそうだ。
ホルモン野郎はカッコいい。
日本を元気にさせるのは、きっとそういう男たちだ。
究極のホルモン野郎は、やはりこの男。
↓
Ernesto Rafael Guevara de la Serna
チェ・ゲバラさんである。
いま彼が注目されているのは、時代の必然なのかもしれない。
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