オバマは世界を変えるか?
ぼくの回答は「否」である。
ただしオバマ効果を狙って変えることは可能だと思う。
そのヒントは「戦争」にある。
ブッシュ政権がやってきた「戦争」は、テロとの戦いというものだった。 思い起こせば2001年、ブッシュはヒーローとして大衆に迎え入れられた。 きっかけは9.11アメリカ同時多発テロ。 米国は直ちに報復手段をとった。 「これからはテロとの戦争である」と高らかに宣戦布告し、以後アフガンに兵を送り、イラクに戦争を仕掛けた。
当時からぼくはこれは詭弁だと感じ、9.11を米国の自作自演ではないかと疑った。 なぜなら景気浮揚のために米国が戦争を仕掛けるのは常套手段だったし、理由を「星条旗を踏みにじられたから」と置くのも歴史に見てきた通りだ。 ビンラディンもサダムもノリエガ将軍も、あるいは真珠湾を攻撃した旧大日本帝国海軍も、シナリオに書かれたキャストのひとつにすぎなかったのだ。
オバマが選挙演説中に宣戦布告したのは、「環境破壊者との戦争」だとぼくは理解している。 人類が一丸となってこれと戦うのだ、と。
諸悪の根源はブッシュであるとし、それをアンチテーゼとするオバマ政権への世界の期待は大きい。 ブッシュ政権では署名だけしておいてさっさと離脱してしてしまった京都議定書。 オバマ政権ではうってかわり、これへの締結に踏み切るかもしれない。 その上で温暖化防止策に多大な資本投下をするのだ。
それが石油や石炭に代わるエネルギー開発、これに伴うCO2を排出しない発電所や太陽電池自動車、こういったものに本気で着手するのなら、オバマ効果は最大に高まる。 数百万人レベルの雇用も実現するかもしれない。 実際には旧エネルギー関連企業の従事者が職を失うから、幾分目減りするだろうけど、未来は明るく、しかもクリーンである。
とすれば、日本も大いに貢献できると思う。 もともと原子力発電と太陽電池分野における技術の高さは世界随一の日本。 排煙脱硫や脱硝技術といった日本のお家芸がフルに活かせそうではないか。
ともかく米国の閉塞感は、全世界に影響する。 米国覇権の代わりをつとめられる国はまだいない。 そもそも、中国も日本もまだまだ膨大な米国債を保持しているから、アメリカに勝手に凋落してもらっては困るのだ。
その意味でぼくはオバマを支持し、応援したい。
彼の仕掛ける戦争相手は、人類共通の敵である環境破壊者だ。 けれども残念なことに、敵は石油メジャーや軍産複合体、つまり米国籍の企業や財界人であったりする。
果たしてオバマは、内なる敵に刃を向けることができるのか?
J・F・ケネディの二の舞になったりしないだろうか?
オバマひとりでは世界は変えられないのだ。
世界の良心が、これを支えなくてはならないのだろうと思う。
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