「昔はよかった・・」 と言う年配者がいる。
それに比べ、いまの時代は利潤ばかり求めがつがつ働いてばかりでとても生活にゆとりがないと、そういうのだ。 いっぽう別のある人は 「いまの時代はほんとうにラクになった。モノは豊富で労働対価に比べ安くなったから、昔ほど長時間働かなくとも欲しいモノはだいたい手に入るじゃないか」と、そうおっしゃる。
果たしてどちらが正しいのだろう?
たしかに日本をはじめ、ほとんどの先進国はここ20年で労働拘束時間は短くなったように思う。 不況、不況と世間は騒ぐけれど、家に帰れば大型TVでDVDを鑑賞したり、パソコンでネット三昧、ケータイを持ち、毎日おしゃれをし、貧乏だからでなくダイエットやメタボ対策のために少なめに食事をとっていたりする。 もちろんすべてのひとではないにせよ、それが大部分の日本人の姿である。
さて、日本人の平均就労時間は1,775時間(2006年度)。 1960年の2,400時間をピークに年々減り続け、いまやアメリカ人よりも就労時間は少ないのだ。 もちろん欧州のドイツ(1,421時間)、フランスの(1,535時間)にはとてもかなわないけれど、東アジアの中ではだいぶゆとりがありそうな国のひとつといえそうだ。
けれども日本には”サービス残業”という悪しき風習が残っており、厚生労働省が把握していない時間がおよそ300〜500時間ほど。 これを加味して、実質年間労働日数260日を割れば1日あたり8時間程度といったところ。 サービス残業はともかく、まあ許容範囲ではないだろうか?
そもそも日本人は、あるいは人類はどのくらい働いていたのだろう?
前世紀前半は、ほとんど3000時間を超えていたという記録が残っている。 (下記参照のこと.小さくて見づらくて申し訳ないです)
表中に、「’11 工場法 / 12時間労働制」 という文字が見える。 労働時間の短縮を決めた法律だと思われるけれど、この時代、工場では12時間以上働くのが当たり前だったのだ。
もう少しさかのぼって、産業革命直後の英国の記録を見ると、その頃の人々は年間3,500時間も働いていたようだ。
ほぼ一年間、まったく休まず働いて1日10時間!の平均労働時間。 折しもカール・マルクスが「「万国のプロレタリアよ、団結せよ!(Proletarier aller Lander, vereinigt Euch!)」と共産党宣言をしたのが1849年、気持ちはわかる。 当時の労働者はもう くたくただったのだ。
さらにさかのぼって、1600年では1,980時間という記録。 ほとんど現代と変わりない。 ちなみに英国の現在の年間労働時間は1,672時間(2005年度)。 800年前の1200年もほぼ同じの1,620時間。
800年経ってもほぼ同じ労働時間なのだ!
英国人の頑固さにはつくづく頭が下がる思いだ。
というわけで、話を最初に戻すと 「日本人の労働時間は確実に減った。 けれども英国人は800年前と変わらない。 おまけに3500時間になると労働者革命が起きる」 というのが答えです。
さてあなたは年間、どのくらい働いているんでしょうか?
■ ちびきちにっき
ちびきちです。 せんじつはいろいろとごしんぱいかけちゃってすみませんでした。 いまはすっかりよくなって、ようちえんでも写真のとおりげんきにあそんでいるよ。 でも、いやなのはおひるねのじかん。 あんなせまいケースに入れられちゃうんだものな! ストレスでまたおなかこわしちゃうよ、まったく! わんわんっ
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